※この記事は、在留資格「高度専門職」での申請(変更申請を含む)をご検討の方向けに書いています。


高度専門職ビザ(就労ビザの一種)は、平成26年に改正された入管法において、新たに創設された在留資格です。

一番のポイントは、レベルの高い、高度な専門的能力を持っている外国人を優遇(永住権の短縮や家族の呼び寄せの基準緩和など)して、受け入れを促進するために設けられた点が挙げられます。

新たに設けられたとはいえ、職種が増えたわけではなく、既存の技術・人文知識・国際業務や技能などの就労ビザの審査基準に該当して、レベルの高い能力を持っている外国人に与えられる在留資格です。

また、この高度専門職ビザは、1号ビザと2号ビザとに分かれます。

それでは具体的にどのような要件で、どのような点に注意をすればよいのでしょうか。

どのような外国人の方が該当するの?

既存の技術・人文知識・国際業務や技能などの就労ビザの審査基準に該当して、レベルの高い能力を持っている外国人が該当するとご説明しましたが、具体的にはどのような方が対象となっているのでしょうか。

具体的な対象はイ、ロ、ハと3パターンに分かれています。

それではひとつずつ、入管法と照らし合わせながら見ていきましょう。

イ.「教授」の在留資格のに該当し、高度な専門職の能力を持っている外国人の方

1号
高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの

イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動
注:「入国管理局 在留資格一覧表 本邦において行うことができる活動」より

一つ目は、「教授」の在留資格に該当する方の中で、高度な専門職の能力を有してる外国人の方です。

この記事を読んでくださっている企業様にはこのイで申請を考えている方は少ないと思いますが、「教授」(例:教師として日本で働く外国人の方など)の在留資格を持っている方が、「高度専門職ビザ」を取得することで本職とは別で、会社経営者として日本で事業を行う(本職に関連する事業に限る)ことができるというメリットがあります。本職と関連するとは、具体的には、学習塾の経営などが挙げられます。

ロ.「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当し、高度な専門職の能力を持っている外国人の方

ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動

注:「入国管理局 在留資格一覧表 本邦において行うことができる活動」より

ふたつ目は、「技術・人文知識・国際業務の在留資格に該当する方の中で、高度な専門職の能力を有してる外国人の方です。

こちらも、企業勤めをしながら、本職と関連する会社を経営することができます。

職種例は、技術・人文知識・国際業務ビザの記事でもご説明しましたが、以下の通りです。

【このカテゴリの職種例】
ソフトウェアエンジニア|システムエンジニア|コンピュータプログラマー|ゲームプログラマー|技術開発にかかるプロジェクトマネージャー|設計技術者|開発技術者|自動車の技術開発|バイオテクノロジーの技術開発|建設技術の研究や開発・調査|土木・建築における研究開発・解析・構造設計業務など

ハ.「経営管理(旧投資経営)」の在留資格に該当し、高度な専門職の能力を持っている外国人の方

ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動

注:「入国管理局 在留資格一覧表 本邦において行うことができる活動」より

みっつ目は、「経営管理(旧投資経営)」の在留資格に該当する方の中で、高度な専門職の能力を有してる外国人の方です。

こちらも経営管理ビザで経営者としてではなく管理者として働く人は、自ら関連する会社を経営することができます。

イ.ロ.ハ.のまとめ

なお、上記のイ、ロ、ハを詳細を含めまとめると以下の通りになります。

在留資格 主に該当するとされる在留資格の活動
「高度専門職1号イ」 「教授」、「研究」、「教育」など
「高度専門職1号ロ」 「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「教授」、「芸術」、「報道」、「経営管理」、「法律会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「興行」、「宗教」、「技能」など
「高度専門職1号ハ」 「経営管理」、「法律会計業務」、「興行」など

つまり、既存の就労ビザ、経営ビザに該当する方の中から、高度なスキルを持っている外国人ということになります。

それでは、高度とはいったいどんな基準なのでしょうか?

次の項目で見ていきましょう。

高度専門職の審査基準

では、具体的に高度な専門職とはどのような人材なのでしょうか。

結論からお伝えしますと、既定の項目のポイントが70点以上であることです。

出入国管理及び難民認定法第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令第
1条の規定を適用して計算したポイントの合計が70点以上であること。

注:「入国管理局 高度人材ポイント制による出入国管理上の優遇制度」より

そして、ポイントの計算方法は、以下の入国管理局のページより確認するのが一番手っ取り早いです。

http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_3/evaluate/index.html

クリックしたページの真ん中あたりのエクセルをダウンロードして頂き、計算してみてください。

該当すれば、高度専門職ビザの取得できるチャンスです。

どのような優遇措置があるの?

それではどのような優遇措置があるか見てみましょう。


  1. 複合的な在留活動の許容
  2. 在留期間「5年」の付与
  3. 在留歴に係る永住許可要件の緩和
  4. 配偶者の就労
  5. 一定の条件の下での親の帯同の許容
  6. 一定の条件の下での家事使用人の帯同の許容
  7. 入国・在留手続の優先処理

以上の7項目が挙げられます。

この項目については、専門家の解説よりも以下の入国管理局のページに詳しく書かれているのでこちらをご覧になる方が良いと思います。

http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_3/preferential/index.html

高度専門職の申請をご検討の外国人の方へ

いかがでしたでしょうか。

高度専門職ビザを取得することで、日本で働く外国人にとって大きなメリットが生まれます。

そして、許可されるかどうかは相談する専門家の技量も大きく関わってきます。スムーズに取得するためにも信頼できる専門家にご相談することをお勧めいたします。

高度専門職への取得・変更申請をご希望の外国人の方は、大阪、京都、神戸で就労ビザの申請代行はクレアスト行政書士事務所までお尋ねください。

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