在留資格(就労ビザ、経営管理ビザ)の更新の際に、課税証明書・納税証明書の提出が求められます。
ここでは、①課税証明書・納税証明書の取得方法、②取得後に確認・注意しておきたい点、③取得できなかった場合(ない場合)の対応方法等について解説します。
課税証明書・納税証明書の取得方法
地域によって、申請手順が異なりますので、住民票のある市町村・区役所に行って確認して頂くか、市町村・区役所のサイトで確認していただくことをおすすめいたします。
一例として、大阪市に住民票がある場合は、「大阪市 課税証明書」等と検索するとすぐヒットすると思います。
◆大阪市の場合:「市税に関する証明書を請求される方へ」
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000005908.html
申請方法は、以下の4パターンあります。
- 窓口での証明書請求
- 電子申請
- 郵便での証明書の申請
- コンビニでの証明書の申請
課税証明書・納税証明書の申請書の書き方
課税証明書・納税証明書の取得申請書は、役所ごとによって異なりますが、基本的な書き方は同じです。
注意点としては、以下の3点が挙げられます。
- 課税証明書・納税証明書をそれぞれを取得すること(どちらか片方だけではNGです)
- 取得できる最新年度(直近年度)のものを取得すること
- 使用目的は、ビザ申請にチェックを入れること
書き方がわからない場合は、直接窓口に行って、役所の人に確認しながら申請するのが確実です。
課税・納税証明書の必要な年度
必要なのは、最新年度(直近年度)の分です。
但し、前年度分が取得できるのは、毎年6月1日~となっています。
つまり、令和6年6月1日以降であれば、令和5年1月~12月の所得が記載された課税証明書・納税証明書が取得できます。(令和6年度の課税証明書には、「前年度(=令和5年1月~12月)の所得」が記載されています。令和5年の所得を証明するためには、令和6年度の課税証明書が必要です。わからなければ、一番最新年度の分と窓口で言えばよいでしょう。)
一方で、毎年1月1日~5月30日以前に申請した場合は、「前々年度の所得」が記載されていますのでご注意ください。
更新のタイミングが6月前後の場合は注意しましょう。
課税・納税証明書取得後に確認しておきたい点(注意点)
課税証明書を取得した際、見るべきポイント
課税証明書を取得した後に、見るべきポイントは、「所得金額」の「給与支払金額・給与所得」の部分です。就労ビザ・経営管理ビザを取得した際、月給や年収などを記載していたと思います。
申請時に記載した月給や年収と整合性が合うかを確認することをお勧めいたします(給与UPはOK、給与減額はNG)。
万が一、申請時に記載した月給や年収を貰っていない場合、日本で生活するのに必要な給与を貰っていない場合は、更新許可が下りない(不許可)になる可能性があります。
また、一時帰国や会社を休んでいたため給与が少ない等の場合は理由書の提出が求められることがありますのでご注意ください。
納税証明書を取得した際、見るべきポイント
次に、課税証明書を取得した後に、見るべきポイントを説明します。
納税証明書の見るべきポイントはシンプルで、「ちゃんと納税しているか?」という部分です。
「納期が到来しているのに未納がある場合」は更新許可が下りない(不許可になる)可能性があります。万が一、税金を払い忘れていた場合は、支払ったあと、改めて納税証明書を取得することをお勧めいたします。
役所に行ったが、取得できなかった場合(ない場合)の対応方法
課税証明書・納税証明書が取得できなかった場合、以下の理由が考えられます。
(ア)引っ越ししたため、役所の管轄が変わった(引っ越し前の役所では取得できる)
課税証明書・納税証明書は、1月1日時点で住民票がある市町村が管轄する役所で取得できます。
1月2日以降引っ越しした場合は、引っ越し前の市町村が管轄する役所に申請する必要があります。
(イ)申請するタイミングの問題で取得できない(ない)
前年度分の課税証明書・納税証明書を取得できるのは、6月1日以降です。
例えば、5月に在留期間1年の就労ビザの許可が下りた場合、更新時期は来年の5月です。そうなると、6月1日より前なので、課税証明書・納税証明書は取得できません。この場合は、取得できない理由書を書き、賃金台帳や源泉徴収票等、給料をもらっている証拠書類を添え、入国管理局に提出しましょう。
ない場合の理由書記載例(サンプル)
あくまでも一例ですが、課税証明書・納税証明書が取得できない場合(ない場合)の理由書記載例です。
XXXX年XX月XX日
〇〇入国管理局長 殿
氏名 ▲▲▲▲▲
課税証明書・納税証明書が取得できない理由書
私は、株式会社〇〇に勤める▲▲▲▲▲です。
私の納税証明書・所得証明書が取得できない理由を説明いたします。
私は、X1年5月X日に在留資格「技術・人文知識・国際業務」のご許可をいただき、X1年5月X日より雇用開始となりました。
前年度分(X1年度分)の納税証明書・課税証明書が発行できるのは、翌年6月1日以降であり、現在取得できる最新年度分は前々年度分のみです。
しかしながら、X0年度は、就労開始前であり日本にも住所がなく、納税義務が発生しておりません。
以上の理由より、納税証明書・所得証明書が取得できません。
別途、給与を受け取っている証拠書類として、入社以降の賃金台帳及び源泉徴収票を添付いたします。
以上
(ウ)その他の理由
その他の理由でも取得できない場合があります。この場合は、個別の事情によって異なるので、申請取次行政書士や弁護士等の専門家に相談することをお勧めいたします。
最後に
就労ビザ、経営管理ビザの更新にはその他、様々な書類があり、時間と手間がかかります。
クレアスト行政書士事務所では、就労ビザ・経営管理ビザの更新要件のチェック、理由書等の書類作成を行い、入国管理局への申請取次を得意としています。お困りの際はご相談ください。