※この記事は、経営管理ビザの更新や特定技能ビザの更新で、入国管理局から「中小企業診断士等による業績改善の見通し評価書」の提出を求められた方や会社様向けに記載しています。

「経営管理ビザの更新許可に必要な中小企業診断士等からの債務超過の改善見通しについての評価書を要求されて困っている・・・。」

「特定技能ビザの更新許可に必要な中小企業診断士等からの改善見通しの評価書を要求されて困っている・・・。」

この記事は、経営管理ビザや特定技能ビザの更新手続きの際に、入国管理局から中小企業診断士等による業績改善の見通し評価書を求められてしまった要因について、ビザ申請に詳しい中小企業診断士兼行政書士が、詳しく解説しています。

ZoomやTeamsによるWEB会議により全国対応可能です。
ただ単に中小企業診断士の評価書を作成し更新許可をサポートするだけでなく、ビザ申請専門の行政書士の専門家として、来年度以降の対策、助言、アドバイスまで詳しく説明いたします。
万が一、(評価書の内容が原因で)更新許可が下りなかったら、全額返金します。
但し、改善の見通しのない会社様の場合は依頼をお断りさせていただきます。
※ご支援の流れを知りたい方は一番下の経営管理ビザ・特定技能ビザ更新許可までの流れにお進みください。

経営管理ビザの更新に必要な事業の継続性

経営管理ビザを更新するためには、事業の継続性が認められないといけません。

「事業の継続性」とは平たくいうと、ちゃんと事業をして売上が立ち、利益=黒字があがっているかということです。
ですが、初年度から黒字決算で順調に行くとは限らず、赤字決算になってしまう企業も一定数いらっしゃると思います。
また、新型コロナウィルスが大流行してからは、外国人経営者の入国が遅れたり、事業の立ち上げがうまくいかなかったりするケースもたくさんあると思います。

では、この点について法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)更新基準には、どのように記載されているか見てみましょう。

事業活動においては様々な要因で赤字決算となり得るところ,当該事業の継続性については,今後の事業活動が確実に行われることが見込まれることが必要です。
他方で,単年度の決算状況を重視するのではなく,貸借状況等も含めて総合的に判断することが必要であることから,直近二期の決算状況により次のとおり取り扱うこととします。

注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

つまり、単年(1年)赤字であっても、状況により継続性があると判断し、更新許可を認めますよ!ということです。ですが、どの企業でも更新を認めるということではありません。

ではどのような基準で更新許可の判断をされるのかというと、「1.利益剰余金がある場合」「2.欠損金がある場合」に分かれます。

利益剰余金がある場合

まず最初に、「1.利益剰余金がある場合」について説明します。
法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)基準には次のようにあります。

(1)直近期又は直近期前期において売上総利益がある場合
a 直近期末において欠損金がない場合
直近期において当期純利益があり同期末において剰余金がある場合には、事業の継続性に問題はありません。また、直近期において当期純損失となったとしても、売上総利益があることを前提とし、剰余金が減少したのみで欠損金が生じないものであれば、必ずしも、当該事業を継続する上で重大な影響を及ぼすとまでは認められないことから、この場合においても事業の継続性を認めることとします。

注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

上記の通り、売上総利益があって且つ、欠損金がない(=剰余金がある)場合は、事業の継続性があるので、中小企業診断士の評価書はいりません。
気を付けないといけないのが、売上総利益があることという前提条件があります。
売上総利益とは、「売上高」ー「製造原価(又は商品仕入代)」であり、基本的にはここがマイナス(つまり原価割れ)のケースは殆どありません。
しかし、外国人経営者の会社の決算書をみると、売上高がゼロであるため、売上総利益がない(ゼロ)というケースがあります。

例えば、最近の事例では新型コロナウィルスの影響で、入国が遅れたケース、民泊事業、旅行関連業を行っていて、行動制限があったため、どうしても売上を立てることができなかったというケースが考えられます。
この場合、”売上高がゼロ=事業活動を行っていない”とみなされ、中小企業診断士の評価書が必要となる場合があります。

欠損金がある場合

次に、「2.欠損金がある場合」について説明します。
少々複雑なので、3つのパターンにわけて解説します。

パターン1:直近期末が赤字×債務超過ではない(資産超過)

直近期末が赤字であり、債務超過ではない(=資産超過)の場合について解説します。
法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)基準には次のようにあります。

b 直近期末において欠損金がある場合
(ア)直近期末において債務超過となっていない場合
事業計画,資金調達等の状況により,将来にわたって事業の継続が見込まれる可能性を考慮し,今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資料の提出を求めることとし,事業が行われていることに疑義があるなどの場合を除いて,原則として事業の継続性があると認められます。ただし,当該資料の内容によっては,中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出をさらに求める場合もあります。

注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

この場合は、直近期末が赤字ではあるが、債務超過ではない(資産超過)という状態であり、今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資料の提出が必要となる場合があります。

但し、このケースで、中小企業診断士の評価書を求められるケースは少ないように見受けられます。

パターン2:直近期末が赤字×直近は債務超過×2期前は資産超過

パターン2は、
直近期末が赤字且つ債務超過ではあるが、
2期前までは債務超過ではない(=資産超過)ケースです。

法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)基準には次のようにあります。

(イ)直近期末において債務超過であるが,直近期前期末では債務超過となっていない場合
債務超過となった場合,一般的には企業としての信用力が低下し,事業の存続が危ぶまれる状況となっていることから,事業の継続性を認め難いものですが,債務超過が1年以上継続していない場合に限り,1年以内に具体的な改善(債務超過の状態でなくなることをいう。)の見通しがあることを前提として事業の継続性を認めることとします。
具体的には,直近期末において債務超過ですが,直近期前期末では債務超過となっていない場合には,中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が,改善の見通し(1年以内に債務超過の状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出を申請者に求めることとし,当該書面を参考として事業の継続性を判断することとします。

注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

この場合は、直近期末が赤字ではあり、債務超過になっている状態です。

債務超過が1年を継続していない場合は、中小企業診断士や公認会計士が業績改善の見通しの企業評価の提出が求められ、状況次第で認められる可能性があります。

入国管理局から提出するよう要望があった場合は、更新が許可される可能性がありますので、経営管理ビザの更新許可が得られるよう、中小企業診断士や公認会計士に相談することをお勧めします。

パターン3:直近期末が赤字×直近は債務超過×2期前も債務超過


パターン3は、
2期連続債務超過のケースです。

法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)基準には次のようにあります。

(ウ)直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合
債務超過となって1年以上経過しても債務超過の状態でなくならなかったときは,事業の存続について厳しい財務状況が続いていること及び1年間での十分な改善がなされていないことから,事業の継続性があるとは認められません。

注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

この場合は、事業の継続性はあるとは認めらず、更新許可が下りない可能性が高くなります。

しかし、役員借入を純資産とみなすと資産超過の場合や、コロナの影響を受けた等、特別な事情がある場合は更新許可を得られる可能性もあります。

また、入国管理局から提出するよう要望があった場合は、更新が許可される可能性がありますので、経営管理ビザの更新許可が得られるよう、中小企業診断士や公認会計士に相談することをお勧めします。

上記以外のパターン(直近2期とも売上総利益がない場合)

その他、資産超過・債務超過に関わらず、直近2期とも売上総利益がない(マイナス又はゼロ)の場合は、中小企業診断士の評価書の有無にかかわらず、更新できない可能性が高いのでご注意ください。

ⅱ)直近期及び直近期前期において共に売上総利益がない場合
企業の主たる業務において売上高が売上原価を下回るということは,通常の企業活動を行っているものとは認められず,仮に営業外損益,特別損益により利益を確保したとしても,それが本来の業務から生じているものではありません。
単期に特別な事情から売上総利益がない場合があることも想定されるところ,二期連続して売上総利益がないということは当該企業が主たる業務を継続的に行える能力を有しているとは認められません。したがって,この場合には事業の継続性があるとは認められません。

注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

先ほど解説した通り、「売上総利益」とは、「売上高」ー「製造原価(又は商品仕入代)」であり、販管費を引く前の一般的に粗利と言われる数値です。
売上総利益がないということは、原価割れしているか、売上がゼロのどちらかです。

直近2期連続で売上がゼロで売上総利益がない場合は、事業の継続性は認められず、中小企業診断士や公認会計士に評価書作成して貰っても、経営管理ビザ(旧投資経営ビザ)の更新許可は得られないのでご注意ください。

特定技能の更新の場合

特定技能の場合も、基本的な考え方は、経営管理ビザと同じですが、“直近年度or直近2期で債務超過がある場合”に限定されており、細かい基準はありません。
特定技能外国人受入れに関する運用要領には次のように記載があります。

ⅱ)直近期及び直近期前期において共に売上総利益がない場合
<直近期末において債務超過(純資産又は元入金がマイナス)がある場合>
・中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する
第三者が改善の見通しについて評価を行った書面
<直近2期末のいずれも債務超過(純資産又は元入金がマイナス)がある場合>
・中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する
第三者が改善の見通しについて評価を行った書面

【留意事項】
○ 財政的基盤を有しているかについては、特定技能所属機関の事業年度末における欠損金の有
無、債務超過の有無等から総合的に判断されることになります。
○ 直近期末において債務超過がある場合は、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う
能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が改善の見通しについて評価を行った書
面の提出も必要となります。
注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

経営管理ビザ・特定技能ビザ更新許可までの流れ

  1. Step1:お問い合わせいただきましたら、現状の事業内容と決算書を分析させていただきます。(ここまで無料。※事業の継続性がない場合はここでお断りさせていただきます)
  2. Step2:受任可能であれば、御見積をご提示いたします。費用の目安:10万円~15万円(税別)。財務状況・事業内容、納期によって、個別にお見積りさせていただきます。※急ぎ(1週間以内等)の場合はプラス2万円(税別)
  3. Step3:Zoom等でWEB会議させていただき、ヒアリングをさせていただきます。
  4. Step4:御社の現状分析、財務分析をさせて頂き、業績改善への方向性を策定いたします。中小企業診断士の改善見通し評価書を納品いたします。必要に応じて、改めてWEB会議を開催し、内容の説明、今後の対策、アドバイス等を行います。
  5. Step5:入国管理局にご提出いただき、経営管理ビザ・特定技能ビザ更新許可取得
中小企業診断士(事業計画作成等の経営コンサルタント)と行政書士との兼業を活かし、安心して経営管理ビザの更新許可ができるよう、申請サポートを行っています。
これまでの経験とノウハウを活かし、来年度以降の対策、助言、アドバイスまで詳しく説明いたします。万が一、(評価書の内容が原因で)更新許可が下りなかったら、全額返金します。
但し、改善の見通しのない会社様の場合は依頼をお断りさせていただきます。

経営管理ビザの見通し評価書でお困りの方へ(大阪から全国対応可)

いかがでしたでしょうか。

当事務所は申請取次行政書士と中小企業診断士の兼業であることから、経営管理ビザ(旧投資経営ビザ)における「中小企業診断士からの業績改善見通し評価書」の作成ノウハウを蓄積しております。

追加書類の提出を求められ、更新できずにお困りの外国人の方はお気軽にお尋ねください。

大阪を拠点とし、全国の会社様から多数の引き合いを頂いております。WEB会議等により全国の中小企業様をサポートしておりますので、お困りの際は大阪拠点のクレアスト(行政書士・中小企業診断士事務所)にお問い合わせください。