本記事は、経営管理ビザの更新で、入国管理局から「中小企業診断士等による経営改善の見通し評価書」の追加書類提出を求められた方向けに記載しています。
評価書が求められる主な要因と対応策、更新許可に向けたポイント(数字の整合・根拠資料・リスク対策)を、実務経験10年超の中小企業診断士×行政書士が解説します。
全国対応:Zoom/Teamsによるオンライン面談にて全国対応しております。
当事務所は評価書の作成・更新許可だけでなく、ビザ申請全体の整合も踏まえ、来年度以降の対策まで助言します。
※改善の見通しが立たない場合は、ご依頼をお受けできないことがあります。
※ご支援の流れは、ページ下部の経営管理ビザ・特定技能ビザ更新許可までの流れをご覧ください。
1分で分かる:必要書類の早見表
| あなたの状況 | 弊所でチェックさせていただくもの |
|---|---|
| 入管から「中小企業診断士等の評価書(改善見通し)」を求められた (追加資料あり) |
① 追加資料指示書(文面) ② 決算書(直近3期分) ③ 借入金内訳書(借入先(役員借入・金融機関名等がわかるもの)) ④ 直近試算表(あれば) |
| 評価書は求められていないが、 赤字/債務超過で更新が不安 |
① 決算書(直近3期分) ② 借入金内訳書(借入先(役員借入・金融機関名等がわかるもの)) ③ 直近試算表(あれば) |
債務超過で、経営改善の評価書が求められ、中小企業診断士をお探しの方は、以下のメールフォームよりお問い合わせください。
入管が見る「事業の継続性」とは|中小企業診断士の評価書で問われる点
経営管理ビザを更新するには、入管が「事業の継続性」を確認します。
ここでいう継続性とは、単に「黒字かどうか」だけではなく、今後も事業を継続できる見込みがあるか(資金繰り・財務状況・改善計画の実現性)を含めた判断です。
法務省の基準では、赤字決算となり得ることを前提にしつつ、継続性について次の趣旨が示されています。
事業活動においては様々な要因で赤字決算となり得るところ,当該事業の継続性については,今後の事業活動が確実に行われることが見込まれることが必要です。
他方で,単年度の決算状況を重視するのではなく,貸借状況等も含めて総合的に判断することが必要であることから,直近二期の決算状況により次のとおり取り扱うこととします。注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より
つまり、1期赤字=即不許可ではありません。
一方で、赤字や債務超過などがある場合は、入管から 追加資料として「中小企業診断士等による業績改善の見通し評価書」や、資金繰り・改善計画などの提出を求められることがあります。
評価書で問われるのは、主に次の3点です。
- 数字の整合(資金繰り・利益計画・返済可能性)
- 根拠資料(契約・見積・発注・入金見込み・取引実態など)
- リスク対策(想定どおりに進まない場合でも継続できるか)
このあと、決算状況(赤字/債務超過)別に、評価書が求められやすいパターンと準備すべき資料を整理します。
【ケース別】評価書が必要になりやすいパターン(赤字・債務超過)
以下では、評価書が求められやすいケースを 決算状況別に整理します。
判断の入口は大きく 「1.利益剰余金(概ね黒字・蓄積あり)」 と 「2.欠損金(赤字・蓄積赤字)」 に分かれ、あわせて 債務超過の有無 がポイントになります。

利益剰余金がある場合
まず最初に、「1.利益剰余金がある場合」について説明します。
法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)基準には次のようにあります。
(1)直近期又は直近期前期において売上総利益がある場合
a 直近期末において欠損金がない場合
直近期において当期純利益があり同期末において剰余金がある場合には、事業の継続性に問題はありません。また、直近期において当期純損失となったとしても、売上総利益があることを前提とし、剰余金が減少したのみで欠損金が生じないものであれば、必ずしも、当該事業を継続する上で重大な影響を及ぼすとまでは認められないことから、この場合においても事業の継続性を認めることとします。注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より
上記のとおり、売上総利益があり、欠損金がない(=利益剰余金がある)場合は、原則として事業の継続性が認められるため、中小企業診断士の評価書は原則不要です。

欠損金がある場合
次に、「2.欠損金がある場合」について説明します。
少々複雑なので、3つのパターンにわけて解説します。
パターン1:直近期末が赤字×債務超過ではない(資産超過)

直近期末が赤字であり、債務超過ではない(=資産超過)の場合について解説します。
法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)基準には次のようにあります。
b 直近期末において欠損金がある場合
(ア)直近期末において債務超過となっていない場合
事業計画,資金調達等の状況により,将来にわたって事業の継続が見込まれる可能性を考慮し,今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資料の提出を求めることとし,事業が行われていることに疑義があるなどの場合を除いて,原則として事業の継続性があると認められます。ただし,当該資料の内容によっては,中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出をさらに求める場合もあります。注:法務省 「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より
この場合は、直近期末が赤字ではあるものの、債務超過ではない(資産超過)状態です。
そのため、入管からは、今後1年間の事業計画書および予想収益を示した資料の提出を求められることがあります。
なお、当事務所の実務経験上、このパターン(赤字×資産超過)で中小企業診断士の評価書まで求められるケースは殆どありません。
パターン2:直近期末が赤字×直近は債務超過×2期前は資産超過

パターン2は、
直近期末が赤字且つ債務超過ではあるが、
2期前までは債務超過ではない(=資産超過)ケースです。
法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)基準には次のようにあります。
(イ)直近期末において債務超過であるが,直近期前期末では債務超過となっていない場合
債務超過となった場合,一般的には企業としての信用力が低下し,事業の存続が危ぶまれる状況となっていることから,事業の継続性を認め難いものですが,債務超過が1年以上継続していない場合に限り,1年以内に具体的な改善(債務超過の状態でなくなることをいう。)の見通しがあることを前提として事業の継続性を認めることとします。
具体的には,直近期末において債務超過ですが,直近期前期末では債務超過となっていない場合には,中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が,改善の見通し(1年以内に債務超過の状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出を申請者に求めることとし,当該書面を参考として事業の継続性を判断することとします。
この場合は、直近期末が赤字で、かつ債務超過となっている状態です。
ただし、債務超過が1年以上継続していない場合に限り、1年以内に債務超過を解消できる具体的な見通しがあることを前提として、入管は継続性を判断します。
そのため、このパターンでは、入管から中小企業診断士等による「改善見通し評価書」の提出を求められることがあり、評価書の内容(根拠)が審査の重要ポイントになります。
評価書の提出を求められている場合は、早めに中小企業診断士等へ相談し、1年以内に債務超過を解消できる根拠資料を整理したうえで対応することをお勧めします。
パターン3:直近期末が赤字×直近は債務超過×2期前も債務超過

パターン3は、2期連続債務超過のケースです。法務省の外国人経営者の経営管理ビザ(在留資格)基準には次のようにあります。
(ウ)直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合
債務超過となって1年以上経過しても債務超過の状態でなくならなかったときは,事業の存続について厳しい財務状況が続いていること及び1年間での十分な改善がなされていないことから,事業の継続性があるとは認められません。
このパターン(2期連続の債務超過)の場合、法務省基準上は 事業の継続性が認められにくく、更新は厳しくなります。
ただし、実務上は個別事情により、追加資料の提出を求められることがあります。たとえば、以下の場合が挙げられます。
- 直近で債務超過が解消できる具体的根拠(確度の高い入金・契約・資金調達等)が示せる
- 債務超過の見え方が会計処理・負債区分等に起因しており、説明資料により実態を補足できる
- 災害・感染症等の影響など、一時的要因と回復見込みを資料で示せる
入管から追加資料の提出を求められている場合は、「なぜ改善できるのか」の根拠を揃えることが最重要です。更新許可に向け、早めに中小企業診断士等へ相談し、提出資料の整理を進めることをお勧めします。
上記以外:売上総利益が出ていない/活動実態を疑われやすいケース
資産超過・債務超過にかかわらず、直近2期連続で売上総利益がない(ゼロまたはマイナス)場合は、入管基準上、事業の継続性が認められにくく、更新は非常に厳しくなります。
このケースは、中小企業診断士等の評価書を提出しても結論が覆りにくいため、特に注意が必要です。
ⅱ)直近期及び直近期前期において共に売上総利益がない場合
企業の主たる業務において売上高が売上原価を下回るということは,通常の企業活動を行っているものとは認められず,仮に営業外損益,特別損益により利益を確保したとしても,それが本来の業務から生じているものではありません。
単期に特別な事情から売上総利益がない場合があることも想定されるところ,二期連続して売上総利益がないということは当該企業が主たる業務を継続的に行える能力を有しているとは認められません。したがって,この場合には事業の継続性があるとは認められません。
ここでいう「売上総利益」は、一般に 売上高 −(製造原価/仕入代)(いわゆる粗利)です。
売上総利益が ゼロまたはマイナス ということは、売上が立っていない(売上ゼロ)、または 原価割れ などにより、主たる事業が継続的に行われていないと判断されやすい状態を意味します。
そのため、直近2期連続で売上総利益がない場合は、評価書の作成だけで更新許可を狙うのは難しいため、ご注意ください。
経営管理ビザ更新許可までの流れ
- Step1:メールで状況確認(無料)
入管からの追加資料指示(文面)と決算書を確認し、必要資料と進め方をご案内します。
※改善見通しが立たない場合は、この時点でお受けできないことがあります。 - Step2:お見積り提示
費用目安:10万~15万円(税別)(財務状況・事業内容・納期により個別見積)
※提出期限が近い場合は、至急対応の可否を確認します。 - Step3:オンライン面談(Zoom/Teams)
事業内容・資金繰り・改善の根拠資料についてヒアリングします。 - Step4:評価書の作成・納品
現状分析・財務分析を行い、改善見通し評価書を作成します。必要に応じて、再度WEB会議を開催し、内容説明と今後の対策もご案内します。 - Step5:入管へ提出(お客様)
評価書および追加資料を入管へご提出ください。
必要に応じて、来年度以降の改善策についてもご案内します。
※改善の見通しが立たない場合は、お受けできないことがあります。
経営管理ビザの見通し評価書でお困りの方へ(大阪から全国対応可)
いかがでしたでしょうか。
当事務所は申請取次行政書士と中小企業診断士の兼業であることから、経営管理ビザ(旧投資経営ビザ)における「中小企業診断士からの業績改善見通し評価書」の作成ノウハウを蓄積しております。
追加書類の提出を求められ、更新できずにお困りの外国人の方はお気軽にお尋ねください。
大阪を拠点とし、全国の会社様から多数の引き合いを頂いております。WEB会議等により全国の中小企業様をサポートしておりますので、お困りの際は大阪拠点のクレアスト(行政書士・中小企業診断士事務所)にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
- 経営管理ビザの更新で「中小企業診断士等による改善見通し評価書」を求められるのはどんなときですか?
- 更新申請で、入管から追加資料として「改善見通し評価書」の提出を指示されたときに必要です。 特に赤字や債務超過がある場合、事業の継続性(今後も事業が続く見込み)の説明として求められることがあります。
- 入管から評価書を求められました。提出すれば更新は許可されますか?
- 提出しただけで許可が確定するものではありません。 評価書の内容(数字の整合・根拠資料・リスク対策)と、追加資料全体の整合が重要です。
- 赤字ですが債務超過ではありません(資産超過)。評価書は必要ですか?
- 入管の指示がなければ、評価書が不要となるケースもあります。 一方、追加資料として事業計画書や予想収益資料の提出を求められることがありますので、まずは入管の指示内容の確認が必要です。
- 債務超過が1期のみ(前期は資産超過)です。更新は可能性がありますか?
- 債務超過が1年以上継続していない場合、1年以内に債務超過を解消できる具体的な見通しが示せるかがポイントになります。 その説明のために「改善見通し評価書」を求められることがあります。
- 2期連続で債務超過です。評価書で更新許可を狙えますか?
- 基準上は非常に厳しくなります。 例外的に、改善の根拠(確度の高い入金・資金調達等)や特殊事情を資料で示せる場合に追加資料対応となることがありますが、まずは現状把握が重要です。
- 直近2期とも売上総利益がない(ゼロ/マイナス)場合、更新はどうなりますか?
- 基準上、事業の継続性が認められにくく、更新が非常に厳しくなります。 弊社でもお受けできないケースが多いです。
- 評価書作成のために、最初に必要な資料は何ですか?
- 原則として、①入管からの追加資料指示(文面)、②決算書(直近3期分)、③借入金内訳(返済予定が分かる資料)です。 可能であれば直近の試算表もあると判断が早くなります。
- 提出期限が近いのですが、短納期でも対応できますか?
- 期限が近い場合は、まず対応可否を優先して確認します。 お問い合わせ時にメッセージ欄へ「提出期限:○/○」とご記載ください。
- 費用はいくらですか?
- 目安は10万~15万円(税別)です。 財務状況、事業内容、必要資料の範囲、納期により個別見積となります。
- 大阪以外でも依頼できますか?全国対応は可能ですか?
- はい、可能です。Zoom/Teams等のオンライン面談により全国対応しています。
- 中小企業診断士の評価書だけ依頼できますか?(税理士・行政書士との共同対応も可)
- はい、評価書のみの対応も可能です(共同対応も可)。 ただし、評価書は追加資料全体の整合が重要なため、最低限の前提資料の確認は行います。
- 行政書士として更新申請(取次)まで一緒にお願いできますか?
- はい、可能です。評価書作成に加え、更新申請の全体整合(追加資料の見せ方・説明の筋)まで一貫して整理します。
- 依頼を断られることはありますか?(受任不可の例)
- はい、あります。虚偽・実態が確認できない、根拠資料が提出できない、期限が極端に短く物理的に対応不可能、予算条件が合わない等の場合はお受けできません。



