経営管理ビザを取得するためには、入国管理局が定める厳格な審査要件を満たす必要があります。

しかし、審査を突破するためのポイントを押さえた申請であれば許可を得られる一方、不備がある場合は、不許可となる可能性も高くなります。

この記事では、実際の許可事例と不許可事例を通じて、審査要件の具体的なポイントや注意点を解説します。成功事例を参考にしながら、不許可リスクを回避するための準備を進めましょう。

経営管理ビザの審査要件とは

経営管理ビザの審査では、以下の要件が求められます:

(ア)資本金500万円以上を準備する

  • 経営管理ビザの基本要件の一つが、資本金500万円以上を証明することです。出資金の形成過程が透明であり、書類で明確に示す必要があります。

(イ)独立した事務所を確保する

  • 事務所は、自宅兼事務所ではなく独立性があることを示す必要があります。契約書や写真で具体的に証明します。詳しくは、【経営管理ビザの審査要件【資本金500万円・必要書類・審査期間等】を解説】の記事をご参照ください。

経営管理ビザ:許可された事例

許可事例1

Aは、本邦において個人経営の飲食店を営むとして在留資格変更許可申請を行ったが、事務所とされる物件に係る賃貸借契約における使用目的が「住居」とされていたものの、貸主との間で「会社の事務所」として使用することを認めるとする特約を交わしており、事業所が確保されていると認められたもの。
注:「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

上記許可事例は、”独立した事務所を確保している”と認められた事例です。

基本的には、居住用の物件を、事業用として使用とすることはできません。但し、上記の通り、貸主と事業用として使用することを認めて貰い、証明書類を提示し(一筆書いてもらい)、認められたという事例です。

許可事例2

Cは、本邦において株式会社を設立し、販売事業を営むとして在留資格認定証明書交付申請を行ったが、会社事務所と住居部分の入り口は別となっており、事務所入り口には、会社名を表す標識が設置されていた。また、事務所にはパソコン、電話、事務机、コピー機等の事務機器が設置されるなど事業が営まれていることが確認され、事業所が確保されていると認められたもの。
注:「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

上記許可事例も、”独立した事務所を確保している”と認められた事例です。

基本的には、自宅と事務所は別々にした方がよいですが、自宅兼事務所であっても明確に区分けしていれば、許可されます。
上記事例は、これが適用されたもので、①入口には会社名の表札を設置し、別々に分かれている、②事務所にはパソコン等、仕事をするために必要なものが揃っており、事業を営んでいる実態が確認できたため、、認められたという事例です。

なお、弊所でご支援させて頂いた案件では、入口が別々に分かれていない場合であっても、認められたケースもありますので、お困りの方はご相談ください。

不許可になった事例

不許可事例1

Eは、本邦において有限会社を設立し、総販売代理店を営むとして在留資格認定証明書交付申請を行ったが、提出された資料から事業所が住居であると思われ、調査したところ、2階建てアパートで郵便受け、玄関には社名を表す標識等はなかったもの。また、居宅内も事務機器等は設置されておらず、家具等の一般日常生活を営む備品のみであったことから、事業所が確保されているとは認められなかったもの。
注:「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

上記は不許可になった事例です。

自宅兼事務所で、①明確に区分けされていない場合、②表札がなく、仕事をしている実態が確認できない場合は、不許可になります。
許可を得たいからといって虚偽の申請をすることはくれぐれもやめましょう。

不許可事例2

Fは、本邦において有限会社を設立し、設計会社を営むとして在留資格変更許可申請を行ったが、提出された資料から事業所が法人名義でも経営者の名義でもなく従業員名義であり同従業員の住居として使用されていたこと、当該施設の光熱費の支払いも同従業員名義であったこと及び当該物件を住居目的以外での使用することの貸主の同意が確認できなかったことから、事業所が確保されているとは認められなかったもの。
注:「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」より

上記は不許可になった事例は、事務所の契約主体がNGという事例です。

会社を賃貸契約する場合は、設立する法人が、貸主と契約して頂くのがベストです。但し、諸事情があって、法人ではなく、外国人個人が貸主と契約する場合もあると思います。
その場合は、弊所では、法人と外国人個人との間で使用貸借契約等を締結するなどの対応をする等を行っています。

許可率を上げるための重要なポイント

(ア)書類の準備を徹底する

資本金証明や事務所契約書、事業計画書を正確かつ具体的に準備しましょう。不備がある場合は専門家に相談し、確認を行うことが重要です。

(イ)審査官が納得する事業計画書を作成する

収益モデルや事業の実現性を具体的に記載します。過去の実績や関連経験を証拠として示すと信頼性が高まります。

(ウ)行政書士等の専門家のサポートを受ける

ビザ申請における不許可リスクを最小限にするためには、経営管理ビザに詳しく経験豊富な行政書士などの専門家に相談するのがおすすめです。

お困りの際はご相談ください(大阪から全国対応可)

経営管理ビザの審査では、資本金や事務所要件を正確に満たすこと、事業計画書を具体的かつ説得力のある形で作成することが不可欠です。許可事例から成功のポイントを学び、不許可事例を参考に注意点を把握することで、審査通過の可能性を高めることができます。また、申請書類に不備がある場合や要件を満たしているか不安な場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

弊所では、豊富な経験とノウハウを活かし、申請準備から審査対応まで一貫してサポートいたします。

「経営管理ビザ」の申請をご検討の会社様は、お気軽にクレアスト行政書士事務所までお尋ねください。オンライン申請、WEB会議等を駆使し、大阪から全国の中小企業様をサポートしています。※弊所は、大阪入国管理局管轄区域に事務所を有していますが、在留申請オンラインシステムで全国のビザ申請代行(取次)に対応しています。